MT4とMT5の11種類のメリット・デメリットの比較

MetaTrader4・MetaTrader5とは?
MetaTraderは、主に外国為替(FX)の分野で、リテールブローカー(FX業者)業界で使用されている、世界で最もシェアの高い電子取引プラットフォームになります。
このプラットフォームは、キプロスのリマソールに本社を置くロシアの外国為替取引ソフトウェア会社の「 MetaQuotes Software Corporation」によって開発がされました。
メタトレーダーは、FXを生業とする投資家の中でも非常に人気のあるプラットフォームですが、世界中の大多数の外国為替仲介会社や、銀行などの金融機関にもたくさん使用されております。
そして、表題の通りメタトレーダーには MetaTrader 4とMetaTrader 5 の2つのバージョンが存在します。
これらのプラットフォームは一般的に「MT4」「MT5」と一般的に呼ばれております。
MT4は、2005年の7月1日に正式にリリースされました。
それに対してMT5は、2010年6月1日にリリースされております。
不思議なことに、アップグレードされたバージョンが利用可能であるという長い期間にもかかわらず、多くのFX会社は未だにトレーダーへMT4プラットフォームを提供しており、切り替えをしているところは少数です。
しかし、昨今では開発会社がMT5プラットフォームの新機能の開発とリリースを継続している事と、古いバージョンのMT4のサポートが廃止されているので、それに賛同しMT4を削除している業者が増えてきております。
そこで、結局どちらを使用した方がいいのか判断出来るようにMT4とMT5の違いをまとめてみました。
MT4とMT5の違いを項目別で比較
項目 | MT4 | MT5 |
取引可能市場 | 〇 | ◎ |
注文方法 | 〇 | ◎ |
時間足 | 9種類 | 21種類 |
動作速度 | 少し遅い | サクサク速い |
処理数 | 1,000万件まで | 無制限 |
初期インディケーター (EAやMACD等) | 30種類 | 38種類 |
カスタムインディケーター (テクニカル分析) | ◎ | 〇 |
リアルタイム 経済ニュース | × | 〇 |
グラフィックツール (トレンドライン等) | 31種類 | 44種類 |
エキスパートアドバイザー (自動売買) | ◎ | △ |
アップデート | 終了 | 現在も継続 |
サポートされている通貨や株式などの市場
トレーダーにとっての大きな違いの1つであるのが、取引可能な市場です。
MT4は外国為替取引用に特別に設計されており、CFD取引もサポートされております。
MT5はシステムの改善や市場の選択範囲を広げる事などが目的で開発された経緯もあり、トレーダーがアクセス出来る市場は外国為替とCFDに加えて、先物、株式、債権などを取引する事が可能になりました。
これにより、MT4では利用できない数千にもおよぶ異なる商品での取引を実現しました。
注文方法
MT4の注文処理方法は「fill or kill」となっております。
これは、トレーダーの注文が指定された量で執行される必要があるか、注文がキャンセルされることを意味します。
MT5はより自由な注文執行方法を提供しており、例えばトレーダーの注文の一部がすぐに約定されない場合、MT5は自動的に残りの量を埋めるために指値注文またはマーケット注文を作成します。
つまり、MT4よりもMT5の方がより柔軟な決済方法が選択できるようになりました。
時間足

MT5はMT4に比べて12種類も時間足が増えております。
MT4では「1分足」「5分足」「15分足」「30分足」「1時間足」「4時間足」「日足」「週足」「月足」の9種類。
MT5では 「1分足」「2分足」「3分足」 「4分足」 「5分足」「6分足」 「12分足」「15分足」「20分足」 「30分足」「1時間足」「2時間足」 「3時間足」 「4時間足」「6時間足」 「8時間足」 「12時間足」 「日足」「週足」「月足」 の21種類。
スキャルピングでは3分足が重宝しますし、スイングトレードでは8時間足が便利です。
動作速度
MT4はOSが32bitが主流の時代に開発されているので、急速な進化を遂げた現代では少しもっさりした動きが目立ちます。
MT5では64bitに対応し、メモリを多用する事により大幅な速度改善がされました。
MT5が出たばかりの頃は、メモリを大幅に使用すると評判は良くなかったのですが、使用するといっても1GBも使用しませんので、こちらも2013年以降のPCでは影響はないでしょう。
スキャルピングの超短期トレード等では非常に助かる仕様と言えます。
処理数
これは、ファンド等の大量に注文をするトレーダーにしかあまり関係ないかもしれません。
MT4は最大で1,000万件までの取引を快適に処理出来ます。
しかし、MT5ではそういった制限が取り除かれて無制限に取引を実行する事が可能となりました。
データベースは、プラットフォームの整合性を損なうことなく非常に大量の注文フローを処理出来る設計で、個人で言えばエキスパートアドバイザー(自動売買)やコピートレードなどで力を発揮します。
初期インディケーター
MT4には30種類のテクニカル指標が組み込まれています。
トレーダーは主に、このテクニカル指標でFX市場の様々な価格パターンを検出し取引を行います。
MT5では、このテクニカル指標がさらに増えて38種類が使用可能となりました。
とはいえ、このテクニカル指標は初期に付属しているもので、外部からダウンロードしMT4・MT5どちらも取り込む事が出来ます。
以下、そのダウンロードしたテクニカル指標を「インディケーター」と呼びます。
しかし、インディケーターは「MT4用」と「MT5用」と別れており、MT4のインディケーターはMT5では動作せず、逆にMT5用のインディケーターはMT4では動作しない為、注意が必要です。
カスタムインディケーター
先に述べましたが、インディケーターは外部からダウンロードして使用する事が出来ます。
MT4は開発から長い年月が経っている事もありますが、発表当初から欠点がなく完璧なプラットフォームとして、MT5が発表された後も長らく投資家に愛用されてきました。
そのため、MT4用の優秀なインディケーターが豊富にネットで出回っております。
MT5用のインディケーターは、そこまで多くなく、圧倒的にMT4用が実績も数もあるのが現状です。
リアルタイム経済ニュース

これはMT4には無い新たな機能で、MT5では標準で最新の経済ニュースを常に得る事が出来ます。
これにより、急な為替変動があった際など、何が原因で動いたかなど、どのような環境でもファンダメンタル分析が出来て、 取引のタイミングを逃さずトレードをする事が可能となりました。
グラフィックツール
このグラフィカルツールというのは、トレンドラインを引いたりフィボナッチ指数でサポートラインやレジスタンスレベルをチャート上に描くツールになります。
MT4でも十分活躍出来るツールが豊富にありますが、MT5ではさらに追加されて、44種類となった事でより複雑な分析が可能となりました。
エキスパートアドバイザー(EA)

この、エキスパートアドバイザーは一般的に略称の「EA」と呼ばれております。
EAとは何なのか?簡単に言うと自動売買やシグナルツールの事を指しております。
EAは、ダウンロードをして自動売買やサインの許可設定をするだけで稼働するとっても便利な機能です。
MT4とMT5どちらもEAに対応しておりますが、カスタムインディケーター同様にMT4専用のEAとMT5専用のEAが存在します。
そして、MT4用のEAが圧倒的に利用されており、実績も種類も多くあります。
アップデート
MT4は残念ながら2017年5月を最後に、開発元が終了宣言をしております。
MT5に注力する為となっており、実際にMT5では倍以上のスピードで頻繁にアップデートされておあります。
これにより、独占状態であったMT4のシェアも少しずつですがMT5に移行していっています。
MT4は開発元のメタクオーク社ではダウンロード自体が出来なくなっており、XM等のFX業者からダウンロードが出来るようになっております。
MT4とMT5の違いまとめとオススメの使い方

MT5がリリースされたときは、すぐにその高品質な機能やシステムでFX業界でゴールドスタンダードとなりました。
MT5のリリースから約9年経った今でも、実際は大多数のトレーダーがMT4を利用しているのが現状です。
これはMT4が、MT5よりも優れたプラットフォームを意味するという事ではありません。
機能面やシステム面で、MT5は間違いなくMT4を上回ったメタクオーツ社の自慢のツールです。
しかし、インディケーターやEAのカスタム性や品質性は、2019年でもMT4に軍配が上がります。
あなたが、もし自動売買や高品質のサインツールを使用するのであればMT4の利用を強くオススメします。
なぜなら、MT5に比べて種類も実績も充実した中から選択が出来るからです。
既に、テクニカル分析は用意してあり、確立された方法でスキャルピングやプラットフォームの見やすさ等のストレスフリーな快適さ求めるのであればMT5に移行するのも良いと思います。
これから開発がどんどん進むのはMT5になるでしょう。
ただし、MT5に対応している海外FX業者は今のところ「XM」と「FBS」の2社のみとなっております。
※他にも対応している会社が増えていたら申し訳ございません。
時間足のきめ細かいチャートや、サクサク動く快適さはMT5でしか味わえません。
MT4の開発が終了してしまい、不安はありながらも2019年でもMT4のシェア率が圧倒的に多いですが、個人や法人でもカスタムインディケーターの開発は今でもMT4が主流となっております。
今後は、MT5に対応するFX業者が増えてくるとは思いますが、それまではMT4とMT5のメリットとデメリットを比較しながらお選び頂ければと存じます。