チャートポイントの理解はFXトレードに不可欠!

どうトレードしていいのか、最初のうちは見当もつかないでしょう。
参入のキッカケもつかめない。手がかりゼロ。当然の話です。
そこで「値頃感」で参入することなります。「安くなった気がする」「高くなりすぎだ」という非常にノーマルな感覚ですね。
しかし、感覚ほど当てにならないものはありません。
では、何を手がかりにすればいいのか。
それがFXの「チャートポイント」です。
大手のFX取引会社の調査でも、ある程度の利益をあげている個人トレーダーは「チャートポイントを参考にしてトレードしている」という答えが多かったそうです。
このチャートポイントのカテゴリーでは、分かりやすく総論的なチャートポイントに対する考え方をご紹介します。
FX取引とチャートポイント

チャートポイントという用語、ひんぱんに目にすると思いますが、具体的に何?と問われるとけっこう答えにくいものです。
そのまま受け止めればFXの「チャート」における「ポイント」です。
どういうポイントなのかというと、買ったり売ったりのFXトレードで目安となるポイント、つまりある特定の相場レートですね。
では特定のポイント、つまりチャートポイントはどうやって決まるのか。
実は決める方法は実は何十、何百通りもあります。
非常にたくさんあるので「これで決まり!」というチャートポイントがあるわけではないんです。
なんだか禅問答みたいですね。ハッキリしろ!と言いたくなるでしょう。
FXのチャートポイントは3種類ある
より正確に表現すると、チャートポイントとは「多くのFXトレーダーたちが、このポイントがカギになる」と感じるような場所、特定の値のことです。
決定的な何かがあるわけではありません。
あくまで「このへんだろう」と感じるような場所のことです。
では、どうしてFXトレーダーたちは「ここがカギだ」と感じるのでしょうか。
大きくわけると3つのパターンがありそうです。
1.サイコロジカルなポイント。心理的なカベですね。
2.トレンドラインやチャネルの上下などの交差点。
3.そして特定の計算結果で求められた特殊な値、数値。
かなり大胆で雑な分類ですが、チャートポイントにはこの3種類があると思ってください。
もちろんどれが正しいなどと言えるものではなく、実際にはこの3種類が複雑に影響しあってチャートポイントが成立しているのです。
「前回安値」は一目でわかるチャートポイント

いちばん直感的に分かりやすいチャートポイントは「前回安値」「前回高値」でしょう。
たとえば先週のFX相場が90円まで落ち、そこから上に戻したという状況。
そして今週のFX相場も何回か下げ場面があったものの、90.6とか90.4で押し返されている。
この場合、先週の安値である90円は明快なチャートポイントです。
あれだけ下げパワーがあって落ちたのになぜか90円では跳ね返された。
そして今週のFXチャートもそれ以下の値にはなっていない。
「今週も、たとえ落ちても90円くらいが限度かな」という気分になります。
90円というレートに深い意味があったのかどうか、それはわかりません。
でも結果的に90円で下落が止まった。
具体的な理由が存在した可能性もありますね。
チャートポイントは育っていくもの

こうして多くのFXトレーダーたちは「90.1円で買い指値」を入れます。
あるいは「89.9で損切りストップ」を入れます。
人によっては「新規に89.9でのストップ売り」を設定するかもしれません。
ストップ売りとは「その値まで安くなったら売る」というFXの取引です。
もちろん、90円少し上のサポートは強くなります。
値が接近するにつれて、買いが集まってくるわけですから。
その代わり、90を割るとFX相場は一気に落ちるでしょう。
損切りとストップ売りをまきこんで加速する可能性があります。
みんなが90円に注目する。だから90円がどんどん強いFXチャートポイントになる。
強いチャートポイントだから攻防が激しくなり、そのポイント付近にはFXトレーダーの売り買いが集中してくる。
こうした繰り返しでチャートポイントが生まれ、育ち、強固になります。
まるで屁理屈をもてあそんでいるようですが、でも事実。
チャートポイントって、エタイの知れない、なんか不思議な性格のものですね。
右寄せの矢印付き文字リンクを作ることができます。
オプション絡みのチャートポイント

例にあげた「前回安値の90円」ですが、実際のところ、90円寸前で止まる立派な理由があったのかもしれません。
よくFX市場でささやかれるのが「オプション取引」の存在。
ごく簡単に説明すると「あるものを○月○日に○○円で買う(あるいは売る)権利」のことです。
ある投資銀行がドルを90円で売る権利を取得したとします。
この場合、もし現実のFX相場が91円に上がっていたら、この権利はカミクズ同然なので、権利を放棄します。
オプションを売った側は手数料(プレミアム)がまる儲け。
でもFX相場が89円だったら? 相場が89円なのに90円で売れるのですから買った側は大儲け。
88円ならもっと儲けられます。
実際にはもっと複雑なのですが、原理としてはこんな感じです。
オプション絡みは激しい攻防がある

90円で売る権利を持っている機関投資家としては、何がなんでもFXの相場が90円を割るようにしたい。
できればどんどん下げてほしい。
そしてその90円のオプションを売った側としては、なんとかそれをカミクズにしてしまいたい。
相場にかかわらず90円で買い取る契約なので、FXチャートが下がるほど損になるのです。
こうして激しいオプション絡みの攻防が起きるのですね。
というわけで「90円の大量オプションがあるらしい」という噂がFXマーケットを駆けめぐります。
真偽のほどは不明です。でもいかにも・・・というような相場の動き。
この場合、90円という値は立派にFXのチャートポイントということができるでしょう。
そして満期とされる○月○日。何も起きないかもしれません。
満期寸前、グイグイとFX相場が押し戻されて上げるかもしれません。
あるいは買い支えてきた側がパッと手をひいたために、一気にFX相場は暴落するかもしれません。
みんなが知ってるチャートポイントに意味がある

FXトレードで頼りにする「レジスタンス」や「サポート」ももちろん重要なチャートポイントです。
というより、大きなチャートポイントだから「上値抵抗になってくれるだろう」あるいは「下値支持になってくれるだろう」ということ。
そういう意味では発想が逆でしたね。
まずはチャートポイントありき。
みんなが納得して支持するチャートポイントだからこそ、そこがFXトレードの攻防のラインになる。
レジスタンスやサポートになる。
一種の戦争ごっこのような雰囲気もあります。
誰かがどこかに陣地を作るから、敵がそこを攻めてくる。
攻めて来そうだから、陣地を頑丈にして要塞化する。
要塞の前面には守備兵がいるはず。
要塞の中には食料なんかが溜め込んであるはず。
だから要塞を必死になって攻める。
うまく突破したときの報酬が大きいのです。
実像・虚像いり混じったチャートポイント

そしてチャートポイントでの攻防が重要になりそうな雰囲気をかぎつけて、世界中のFXトレーダーが駆けつけてきます。
そうやって、ちょっとした陣地だったはずなのに、いつのまにか大要塞になってしまう。
おまけにもっと不思議なことがあります。
その陣地、何万人の兵士がいるか誰にも知られていないのです。
FXマーケットに流れる雰囲気とウワサだけ。
実際に攻防戦が始まると、実はモヌケの空だった・・ということさえある。
現実のFX相場でも、重要なサポートラインと称されていたゾーンを、スルリと突き抜けてしまうことがよくあります。
逆に、抵抗などないだろうと思われていた空白地帯で、いきなり激戦が開始されることもあります。
つまり数々のFXチャートポイントがあるように見えても、FX相場を左右するような本当のチャートポイントはその中のほんの少しだけなのかもしれない。
これがあらかじめキチンと読めればいいんですけどね。
だからFXで儲けるのは、けっこう大変なのです。
サポートやレジスタンスは宝の山?

先程、FXトレードでの攻防という言葉を安易に使いました。
具体的にはどんなことなのでしょう。
まず、FX相場変動の要素としては「実需」と「投資」の二つが基本です。
ドル建て取引をしている日本国内の輸出業者は、受け取ったドルを円に替える必要があります。
つまり、ドルを売って円を買う。
また円高傾向がどんどん進むと、あわててドルを売ります。
目減りしないうちに処分する必要があるからです。これが実需。
円高が進むと、円に価値が出てきます。
安くなりそうな外貨(たとえばドル)を売って円を買い込む。
その円を日本につぎ込む。これが投資。
投資家としてはもっともな行動パターンですね。
チャートポイントは投機のターゲット

もうひとつ、単なる投機でのFX売買もあります。
FX市場で円が高くなりそうな雰囲気があるなら、流れに乗じて思いきり外貨を叩き売りし、円を買い込んでしまうという方法です。
大きなヘッジファンドの売買なら、けっこうな影響があります。
たとえばドル/円のFX相場は思いの外、下落するでしょう。
世界中のFXトレーダーたちも便乗して売ります。ドル/円はさらに下落します。
そこでヘッジファンドは買い込んだ円をサッと決済。変わり身の早さが特徴です。
実需でも投資でもなく、FXを利用した投機による莫大な利益ですね。
FXでこうした仕掛けトレードをするとき、サポートやレジスタンスは宝の山なのです。
そのラインの向こうには、たっぷり利益が眠っている。
つまり90円なら90円のサポート。
その直下の89.8付近には損切りストップロスがたくさん仕掛けられているはずです。
またサポート割れにそなえた売りも仕掛けてあるでしょう。
サポートの直下は二重に売りの山。
ここに触れば、いっきにFX相場は下落します。
ヘッジファンドが口火を切って突破口を作ることで、FXは大下落相場になる可能性がある。
故にサポートゾーンは「安心の材料」でもあり「狙われる危険個所」でもあるのですね。
チャートポイントは「点」ではなく「ゾーン」

FXでチャートポイントが重要なのは、そのチャートポイントの付近に大量の買い指値や売りが入っているからです。
複数のテクニカル分析の結果として、たとえば90.00円がチャートポイントであるとしましょう。
では下げてきたFX相場が90.00に触れれば、一気に動きが起きるのか。
もちろんそうではありません。
たぶん90.10~30付近には何段階かの買いの防御陣が構えられているでしょう。
下げの力が弱ければ、このへんで跳ね飛ばされます。
トリガーをひっかけてFX相場は走る

また90円を割ったからすぐFX相場が下へ走るというものでもありません。
トレーダーによってマチマチですが、指値を置いてあるのは89.9であったり89.8だったり。
微妙な心理のアヤです。
このグレーゾーンまで落ちてきたFX相場は、少しずつ加速したり止まったりしながらどこかでトリガーをひっかけた瞬間、一気にドーンと下へ。
ただしその「走り」はせいぜい20ポイント程度のこともあるし、30ポイント、50ポイントのこともあります。
FXチャートは勢い余ってそのまま突っ走り、予想外のサポートライン、たとえば89.3あたりで更に宝の山を突き破ることもあります。
そんなときは89円くらいまで大下落するかもしれませんね。
そしてそのまま安値でとどまってしまうか、あるいは反発して再度の90円復活となるか、それはケースバイケース。
一般論としては、割るのに手間取ったサポートラインは、今度は抜くのに抵抗するレジスタンスとなることが多いようです。
今までの底が天井になる。
チャートポイントの性質が反転してしまうんですね。
なぜチャートポイントは有効なのか

FXトレードでのチャートポイントといっても、現実の相場に物理的なカベがあるわけではありません。たんなる「想定」です。
ではどんな力がそのチャートポイントを有効にしているのでしょう。
それはFX市場の「気分」です。
あるいはFXトレーダーの「心理のアヤ」です。
これまでの説明ではチャートポイントの周辺にあらかじめ指値が置いてあるというパターンでした。
指値とは「その値になったら買う(売る)よ」という予約です。
しかし現実には指値だけでFXトレードが行われているわけではありません。
むしろ相場の状況を見て「今が買いだ」「この値なら売るぞ」というFXトレーダーたちの判断のほうが大きいでしょう。
いわゆる「成り行き」の売買です。
ではFXトレーダーたちは何を根拠にして成り行きトレードに参加しているのか。
まずいちばんの理由は「値頃感」でしょうね。
チャートポイント付近は取引参入の急所

「ドルは安くなって当然だけど、ここまで下がるのはおかしい」
「円を売りたいと思っていたが、こんなに高くなったのならチャンスだろう」
こうした「気分」があって、FXトレーダーは取引に参加したくなります。
しかし単なる気分では少し心もとない。
そこでチャートポイントがお手伝いします。
「このチャートポイント付近では攻防があるだろう」
「このへんで止まる可能性がけっこうある」
「おっ、思ったとおり反発しているぞ」
「それなら自分もこのチャートポイントでFXトレードに参加しよう」
だいたいこんなふうな論理でしょうね。
現実のFXトレードでも「89円付近で大量の買い注文が湧く」「しかし90円近くなるとこんどは売りが増えてくる」というパターン。
けっこうあります。
このシーソーゲームが続くと、いわゆるレンジ相場になります。ボックスともいいます。
FX相場の値動きの幅が小さいなら「揉み合い」とか「持ち合い」ともいいます。
チャートポイントはようするにFX市場の「気分」を助成する根拠として利用されている。
そんな一面もあると思います。
だから軽視してもいい、という理屈にはならないですよ。
非常に大切なFXトレードの戦略ポイントなのですから。
キリ数字はチャートポイントになる

FX相場の前回高値、前回安値は大きなチャートポイントになりやすいと先ほども説明しましたが、実はもっと簡単なポイントもあります。
キリのよい数字。つまり91円とか89円とか。
さらには85円とか90円などです。
こうした分かりやすい数字はオプション取引に使われることも多いでしょう。
また仮に政府・日銀が為替介入を考えているとしたら、85.2円などどいう値を介入ポイントにはしません。
85円とか80円など、明快なところで参入する可能性が高いはずです。
実際には端数のない数字そのものに、たいした意味はありません。
なんとなく響きがなじみやすいだけ。心理的なメドにすぎません。
スーパーの特売では98円や188円といったハンパな価格が目立ちますね。
100円、200円では「高い!」と感じる客が多いということです。
チャートポイント付近は取引参入の急所

同じようにFX相場の世界でも90円と89.8円では印象がガラリと違います。
90円では何も感じなかったけど89円台になると急に安い印象がある。安いから買おうか・・という感じ方。
あるいは逆に「90円の大台を割ったのならもっと落ちるだろう」という感じ方。
確かに89円も88円やあまり差はないような感じもします。
ずいぶんアヤフヤな理由ですが、現実にもこうしたキリ数字はFXトレーダーに心理的なカベとして作用します。
もったいつけて言うと「サイコロジカルなチャートポイント」ですね。
サイコロジカルなレジスタンスをつき抜けたFX相場には、買い支持が増えて上昇。
ベストセラーになった本がいままで関心のなかった人にまで買われるような状況です。
サイコロジカルなサポートを割ったFX相場は、軽んじられてさらに売り叩かれます。
シェアーの低下した不人気の商品のようなものですね。
FX相場の世界も、なんだかタレントの人気のようなところがあるようです。
トレンドラインで大きな流れをつかむ

FXでチャートポイントという言葉と同じくらいよく目にするのがトレンドという用語です。
トレンドを直訳すれば動向、あるいは川の流れなどの方向です。
こうしたトレンドは中長期のFXチャートを眺めればすぐわかりますね。
しかし直感的にある程度の雰囲気、つまり下落基調なのか上昇基調なのかは判別できますが、問題は、その流れがまだ継続しているのかどうかです。
チャートの動きは必ず波があり、下げの流れの途中で戻し上げがあり、上昇の中に下落もある。
ぜんたいとしてトレンドの方向を知るために引くのがトレンドラインです。
下落のトレンドラインは、山・谷・山・谷・・と続くFXチャートのジグザグの、頂点と頂点を直線で結びます。
トレンドラインだけで使用出来るスキャルピングテクニックもありますので、是非ご参考下さい。
下落トレンドは山の頂上をむすぶ右肩下がり

実際には、たとえばFXチャートで山の頂上はたくさん出現しています。
つい目立つ頂上と頂上を結びたくなりますが、この場合の原則は「線からはみだす頂上があってはならない」こと。
FXチャートを前にして、はみ出す頂上がないように線を引いてみると、見た目の印象よりもなだらかな右肩下がりの線になるでしょう。
他の頂上はこの線に届かないところで反転下落していますね。
こうして引いた補助線が「下落のトレンドライン」です。
もしこの線を越える上昇があった場合は、また線を引き直します。
そしてトレンドラインが右肩下がりのうちは、どんな大きな反発があったように見えても、実はまだ下落基調といえます。
現実のFX相場では、多少の戻し上げがあったにしても、そのうちいつか再度の下落に転じる可能性が大です。
それがトレンド。FXの大きな川の流れ、あるいはFX海流のような印象でしょうか。
そして谷底と谷底を直線で結ぶ上昇基調のトレンドラインの場合は、まったく正反対。
その右肩上がりの線の上でどんなにFX相場が動いても、大きく見れば上昇トレンドですね。
もちろん、大きなトレンドの中に、中規模のトレンドが発生することもあります。
トレンドラインとチャートポイントの関係

ある程度の期間を通じて形成されたトレンドラインの場合、その線は重要なFXのチャートポイントとして機能します。
かなり大胆な言い方をすると「FX相場はトレンドラインの書き直しを嫌う」ということです。
発想を逆転するなら、簡単には突破されないようなレジスタンスラインとして機能するのがトレンドライン、というべきかもしれません。
実際、トレンドラインはFX取引の大きな目安となります。
たとえば右肩下がりで下落トレンドのFX相場の場合、チャートがそのトレンドラインに接近すると売りトレードが発生しやすいでしょう。
多くのFXトレーダーも「このへんで上げは止まる。反落するだろう」と予想します。
そう予想するから売り参加します。
売り参加が増えるから現実にもレジスタンスとして機能します。
トレンドはいつか破れて転換する
もちろん実際のFX相場ではトレンドラインを突き抜けることもあります。
FX相場が下げトレンドなら、先々週のチャートポイントは90円、先週は89円、今週は88円あたり・・・という具合にレジスタンスが下降しているわけですからね。
無限に下げるわけにはいかなのでいつかは無理が生じて、現実のFX相場がこの天井を突き抜けます。
そんなふうに中期のトレンドラインが破れたら、中期ラインを書き直しましょう。
もし長期のトレンドが健在なら、そのうちまたFX相場は下落に転じるでしょう。
FXチャートの頂上と頂上をむすぶトレンドラインが(特に短い期間のトレンドなら)水平になってしまうこともありえます。
要するに「前回高値」の復活ですね。
そしてさらにFX相場が上げるなら、その短期ラインは右肩上がりになるわけですから、小さくトレンド変換。
上昇トレンドに変化したことになるわけです。
実際、長期では下落基調。中期では上昇トレンド。
さらに小さく見ると下落トレンド・・というような複雑なパターンもあるでしょう。
FXトレーダーは損切りポイントまでの余裕や狙っている利益の幅、FX取引の想定期間(数日なのか、数週なのか?)によって、注目すべきトレンドを選択しなければならないということですね。
チャネルとチャートポイントの関係

たとえば下げトレンドの場合、FXチャートの山の頂上を結んだ線がトレンドラインとなり、日々、トレンドラインが作るチャートポイントは下落していきます。
ここでもうひとつ注目したいのが、FXチャートの下げトレンドで谷底から引いた線です。
この場合、チャートの中でいちばん谷の深い場所を探すのが一般的です。
そしてそのFXチャートの谷底から引いた線が、山頂をむすんだトレンドラインと平行になるように置いてください。
結果として、その時々、レジスタンスとなるチャートポイントから一定の幅だけ下げたところに別の平行ラインができたことになりますね。
一応はサポートとして通用するチャートポイントです。
この上下の幅が、FX相場の勢い、エネルギー量です。
思いきって下落した場合、どの程度まで落ちる可能性があるか。
こうした平行線を「チャネル」といいます。
チャートポイントは自分で発見するもの

現実にはただ機械的に引けばいいというようなものでもなく、もしチャネルラインを引いてみて、過去のFX相場の谷底がいくつかこのラインで止まっているようなら大成功。
今回のトレンドはこのチャネルの幅だけ下落すると勢いを失うという立証になるわけです。
FXチャートに線を引く場合は、トレンドラインやチャネルライン、前回高値、低値だけでなく、いろいろ試してみてください。
「こことここ結ぶと、なんか意味がありそう・・」と感じたラインなら、チャートポイントになる可能性があります。
実際、FXトレーダーによってこうしたラインの引き方や分析法はさまざま。
たとえば「日足のラインはニューヨーク市場の終値で引く」という人もいます。
「ローソク足のヒゲは無視して実体だけで判断する」というFXアナリストもいます。
どれが正解か、不正解か、誰にもわかりません。
「自分なりにはこの方法が合う」という分析方法を発見してほしいものです。
ヘッド&ショルダーのチャートポイント

FXチャートが作る山頂・谷底の話をしたついでに、ダブルトップ、ダブルボトム、そして三尊(ヘッド&ショルダー)にも触れておきましょう。
FXチャートのダブルトップとはその名のとおり、高値圏で二つの山頂の形ができることです。
ダブルボトムはその反対に安値圏での二つの谷底ですね。
それぞれ、FX相場の天井、大底になる可能性があるとされています。
これはFXトレーダー心理として考えると納得しやすいことです。
天井をつけて、少し休憩して態勢をたてなおし、もういちどトライしたけど抜けなかった。
もう諦めよう・・ということ。
ダブルトップの場合は山・ちょっと谷・山というFXチャートの形ですね。
二度目の山をつけて下落したFX相場が、前回の「ちょっと谷」の休憩点レベルを越えて落ちると図形としてのダブルトット完成。
そこからは一気に下落する可能性がある。
このため「ちょっと谷」の休憩レベル値がかなり重要なチャートポイントとなります。
チャートポイントを割ると倍の下落

また三尊(ヘッド&ショルダー)とは、お釈迦さまが二人の弟子を両脇に立たせたシルエットといわれます。
左肩と頭と右肩というふうにも見えますね。小山・大山・小山。
上にトライして跳ね返された。元気を出して再トライで高値更新。
でもまた落された。三度目の正直でまたトライしたけど、前回にも届かなかった・・・。
この場合は、落胆して下落したFX相場が前回の安値、つまり再起をしたレベルよりも落ちるとズルズル落ちるといわれます。
「再起をしたレベル」とは、ヘッド&ショルダーにたとえると首の付け根のラインです。
FX相場でこの重要なチャートポイントを割ると、ネックラインから頭頂までの幅と同じだけ下落する可能性があるそうです。
実際には、なかなか明確なヘッド&ショルダーなどFXチャートには表れません。
そのため「あれはヘッド&ショルダーだったから」とFXアナリストたちの後付け講釈に使われることも多いのですが。
でも研究の余地ありですね。
フラッグやペナントのチャートポイント

FXでも株式相場でも、トレンドとトレンドの間に停滞期が生まれます。
停滞といっても横一線にチャートが動くわけではなく、ある程度のジグザグはあります。
でも上にも下にも抜け出せない。いわゆる持ち合いです。
グはあります。でも上にも下にも抜け出せない。いわゆる持ち合いです。
こんなとき、FXチャートの動きを注意深く見ると、面白い形になっていることが多いものです。
この形状によって「フラッグ」とか「ペナント」「ウェッジ」など、いろいろな名前がついています。
まずフラッグとはその名のとおり「旗」ですね。
横に平行四辺形の長い旗がたなびいている形です。
たとえばFX相場の下降トレンドの中で一時的に斜め上方向に吹き流されたような形でできあがるのが下降フラッグ。
反対は上昇フラッグです。
一定幅の中の動きではなくだんだん動きが収縮するようなFX相場の推移なら三角旗、つまりペナント。
このペナントがもっと急角度で、上方向や下方向に突き出すならウェッジ。
ちなみに上でも下でもない平行のジグザグ移動ならボックスでしょうね。
ブレイクアウトか、ダマシの動きかを判断

こうしたFXチャートの特殊な形は、その持ち合いから抜け出したときの動きが大きくなりがちなので注目されます。
つまり上離れ、下離れの「ブレイクポイント」です。
FXチャートにフラッグやウェッジが形成されそうな雰囲気なら、その上値・下値を結んでみましょう。
そのラインの中に相場がおさまっているなら、まだまだFX相場は持ち合い。
ラインの上付近では売り、下では買うという作戦が成立します。
そしてラインとチャートが交差して破れる点が大事なチャートポイントですね。
そこを抜け出すか、あるいは抑えつけられるか。
ブレイクアウトしたかどうかの判断はなかなか難しいところがあり、下手すると「ダマシ」にもひっかかります。
そのためFXトレーダーの間では「下降トレンドのフラッグから下へのブレイクアウトは信用できる」とか「上昇トレンドのフラッグから下へのブレイクはダマシが多い」など、いろいろな通説が生まれています。
興味をもったらぜひ研究してみてください。
フィボナッチのチャートポイント

フィボナッチは中世イタリアの数学者です。
いろいろ難しいことを研究した人らしいですが、要するに「黄金比」はこの人から生まれました。
黄金比とは、なぜか安定した形をつくる不思議な比率ですよね。
1対1.618。名刺とかカードとか、あちこちに見られます。
そしてこの1.618から派生した0.618がFX相場のチャートポイントとしても重視され、フィボナッチリトレースメントといわれています。
使いかたは簡単で、とにかく61.8%とか、これを逆から見た38.2%が大きなFXトレードのチャートポイントになる。
フィボナッチ数でなぜか止まる不思議
たとえばFX相場で100円の値が90円まで落ちたとき。
そこから反転上昇したチャートは10円幅の38.2%、つまり93.8円付近で止められてしまう可能性がある。
思いきって戻した場合は96.2円あたりが限度になることが期待される。
なぜフィボナッチリトレースメントがFXでも有効なのか、理由は不明です。
やはりFXトレーダーが「このへんで十分かな」と感じる感覚的チャートポイントなのでしょうか。
実際、このフィボナッチ数値でチャートが止まるケース、あるような気がします。
ちなみにフィボナッチとは別に、半値戻しとか3分の1戻しというチャートポイントもわりあいポビュラーですね。
半値とか3分の1もFXトレードをしている人間心理として、ひとつの区切りみたいな場所なんでしょうね。
実際のFXトレードの場でも、押し目買いや戻り売りの参入ポイントとしてフィボナッチ数や半値、3分の1はあんがい役にたちます。
完全に信用してトレードする必要はありませんが、頭の片隅に入れておいても損はないでしょう。
世間のみんなが知ってることは自分も知っておかないと損。
FXトレーダーの必須知識です。
実勢を参考のチャートポイント「ピボット」

FXでポピュラーな「ピボット」はオシレーター系(買われすぎ、売られすぎを判断) のテクニカルです。
いわゆるセンチメント指標。
しかしピボットはエクセル計算で簡単に値を求めることができ、グラフで見るというより数値そのものを参考にすることが多いので、いかにも「チャートポイント」という印象が強いのです。
ピボットは前日のFX相場の高値・安値・終値を基に計算します。
念のために書きましょうか。(前日高値+前日安値+前日終値)÷3がピボット値です。
ピボットとは回転などの「軸」のこと。
このピボット値を軸として、更に計算してサポート1、サポート2、レジスタンス1、レジスタンス2の4つの値を出します。
FXトレーダーたちはS1、S2、R1、R2と略して書くことがおおいでしょう。
ちなみにS1=ピボット×2-前日高値です。
わりあい計算式は単純ですね。
HBOPを抜けたら買いしかない?

基本的にオシレーター系ですから、S1にFX相場が接近すると買い場です。
もしS1が破られた場合は次のS2が買い増し場面です。
FXトレーダーによってはS1割れ時点で売りに転じて、S2で決済という作戦もありえます。
つまりFXの逆張りトレードにも順張りトレードにも使える。
また前日の相場の動きによって今日のFX相場を判断しようというのですから、基本的には短期トレードのためのテクニカルですね。
いわゆる「デイトレ」のためのチャートポイントです。
前日に相場が大きく動いていれば、今日のピボットでは予想レジスタンスと予想サポートの幅が大きくとられる。
FX相場の動きが荒っぽいのだから、今日も大きく上下する可能性があるだろう、という考え方。
このピボットは、自分で計算するまでもありません。
あちこちのFXサイトやFXブログで計算結果が公表されています。
親切なサイトではR2やS2だけでなく、さらに外側にHBOPとかLBOPという数値が掲載されていることもあります。
これはトレンドの転換点です。
FX相場が上を向いてR2を抜け、さらにHBOPを突き抜けてしまったら、もう順張りだけ。
ここからは買いしかないという転換ポイントなのですね。
ちなみにFX取引会社によってはS1、R1ではなく、B1、S1という略称を使っていることもあります。
その場合はBuy(買い)、Sell(売り)という意味ですね。
こういう表記の混乱がFXをとっつきにくくしている原因でもあるのですが。